Avocadoの投資・トレード日記

資金250万円からの投資・トレードの記録です。日々の成長を記録します。

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裁量トレードでのエッジの不確かさとそれを信じ切る困難

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このブログの初期、私は個別株のシステムトレードをしていました。

その運用を取りやめてしまったのは、

第一に利益を上げることができなかったこと、

第二に開発した戦略を信じ切ることができなかったこと、

第三に検証した範囲で望めるパフォーマンスで満足できなかったこと、

という理由のためです。

 

裁量トレードに転向し、ここでも現在進行形で四苦八苦しているわけですが、

特に意識させられるのはエッジ(優位性)とそれを扱うメンタルでした。

これはシステムトレードと共通する部分があります。

「エッジがあることを信じて、冷静にポジションを取引できるか」という部分です。

 

FXのスキャルピングは、エッジを引き出すのに十分な回数取引できるでしょう。

しかし、毎日の相場つきは変わり、

利益を出した次の日には損失を出しているということが

フォローしているトレーダーを見ていると当たり前にあります。

それでも、週次・月次トータルでプラスになるのはやはりエッジがあるということ。

その背景には自分のスキルを信じて取引を続けなければ、利益を上げられません。

 

ロバストな(堅牢な)エッジがあれば、冷静にトレードできるのに」と

思うことがあります。

けれどこれは違います。

私がシステムトレードしていても、できなかったのは、

先ほど書いたように「戦略を信じ切れなかった」ためです。

検証上はエッジがあったのに、です。

 

書籍『タートル流投資の魔術』では、

システムを腹の底から納得して運用した著者カーティス・フェイスと

他の運用者では、トレーダーの成功として明暗を分けました。

 

 

裁量トレードでは「エッジそのものがあるのか」もあいまいになります。

ある程度の時間的経験を積んだトレーダーでも、

場当たり的なトレードをしていることが少なくありません。

過去検証をしようとしても、できない場合があり、

検証できたとしても、

システムトレードほど堅牢なエッジを証明できないこともあります。

 

投資の場合は、優位性のある投資手法は存在します。

それをきちんと身に着け、投資手法を信じ切るということは

まさに、「エッジがあることを信じて、冷静にポジションを取引できる」

という成功する要素を手に入れたということになるでしょう。

 

数回損失が出たから、その売買ルールが悪いということではありません。

取引結果ではなく、プロセスを評価する必要があります。

つまり、「エッジのある取引を適切な資金管理で、プラン通り冷静に取引できた」

ということで是と評価するわけです。

しかし、ここでもエッジは存在しなくてはなりません。

裁量トレードの場合、この点がいつも曖昧になりがちです。

 

私の始めたオプショントレードでは特にそうですが、

スキャルピングのように月単位で100回以上トレードするものではありません。

期待値の収束とか大数の法則とかを望むことはできないわけです。

理論的には利益が出ることが分かっているけれども、資産曲線は上振れ・下振れし、

確率が収束する前に、相場はがらっと変わってしまいます。

過去検証も手段とデータが限られており、

本当に堅牢なエッジを新たに見つけ、維持するのは困難であると感じます。

 

エッジとは本来ギャンブルの用語であり、

「胴元に対してプレイヤーが数%だけ統計的に優位になる状況」のことを指します。

トレードでは勝率50%が60%になったり、

トレンドフォローの利確値幅が少し長くなったり

ということをエッジとしています。

エッジの存在は非常にか細いものです。

適切な資金管理がなければ、エッジがあっても破産します。

 

ここまで考えてみると、

裁量トレードはエッジが存在するかどうか検証しにくい面があり、かなり危うく、

それを信じ切るには困難が多分に存在することが分かります。

これを何とかして突き抜けるレベルへと裁量トレードを持っていくには

どうすればよいのでしょうか。

いくつかの対策案を立ててみます。

 

一つ目の案。

検証困難なところを何とかして検証するということです。

「自分の取引がエッジがあるのか」どうかという、

基本的な検証をすることです。

システムトレードほど売買ルールをプログラミング可能に落とし込まなくとも、

シミュレーショントレードで手動のバックテストを行うこともできます。

ただし、チェリーピック(取引の都合の良い部分だけを抜き出してしまう)の

問題が付きまといます。

 

二つ目の案。

過去の取引を振り返るということです。

手数料・コスト負けではなく、

金管理をしても純粋に資産が減り続けている場合は、

「期待値が負の行動」をしています。

この場合は、売買ルールを逆(買いを売り、売りを買い)とすることで、

期待値を一気にひっくり返し、エッジのある取引をすることができます。

たらればではなく、純粋にミスしたトレードをした場合、

それはパフォーマンスに影響しています。

ミスをしないということは、それだけでトレードスキルが向上したことになり、

自分のトレードスキルへの自信が増します。

 

三つ目の案。

比較的堅牢なエッジを採用することです。

トレンドフォローや、平均回帰性のあるペアトレード、

ボラティリティトレードなど。

大衆心理の逆を突くなどもエッジになりうるでしょう。

比較的堅牢なエッジを持っている場合、

あとはエッジを信じ切れるかどうかという、

システムトレードと同じ土俵に立つことができます。

 

四つ目の案。

「エッジのある取引」ではなく、

「トータルプラスの取引」をしていると置き換えることです。

これにより、エッジ・資金管理はもちろんのこと

取引結果について長期的な視野を手に入れることができます。

エッジを信じ切ることに焦点を当てるのではなく、

「トータルでプラス」ということに焦点を当てることで、

裁量トレードを続ける上でのメンタリティとトレード行動を

固めることができるのではないでしょうか。

 

以上、問いに答える四つの案を挙げてみました。

正直、魔法のような対策案はないように思えます。

 

文末に紹介している株式投資本で、

「投資家はリスクを引き受けることが仕事だ」という記述があったと

記憶しています。

損益で一喜一憂させられる圧力を避けることはできないということです。

そう考えると、冷静なのはともかく、

心穏やかにいつづけるというのは、

なかなか裁量トレードでは得られない心境なのではないかと思います。

 

裁量トレードは、文字の印象からも、

あいまいな意思決定を繰り返しているという落とし穴に陥りがちですが、

先ほどの案を踏まえて、エッジと付き合っていきたいところです。