米国株オプションを考え直すシリーズNo.4です。
オプションで優位性のある売買行為によって利益を上げるにはどうしたらよいか、
を考えます。
ただ、私もオプショントレードの試行錯誤で、
考えていることを整理している段階です。
もし意見がありましたら、コメントでご指摘いただければと思います。
冒頭から少し脱線します。
オプションはトレード行為であることは疑う余地がありませんが、
「投資法」の一種なのでしょうか。
FXを投資と呼ぶことはほぼありません。投機でありトレードです。
個別株は短期売買ほど投機「的」でありトレードと呼ぶ行為になります。
仕手株に突入するのは、市場参加者が初心者であれ、投機そのものでしょう。
オプションは基本的にトレード行為ですが、
レバレッジがかかる商品として考え、
運用資金の一部をオプションで運用することは投資「的」と言えます。
トレード・投資・投機の線引きをここで明確にしたいわけではありません。
どの行為においても、
何かを利益の源泉として資金・資産を増やそうとしているという点で共通しています。
米国株オプションでは、何が利益の源泉となるのでしょうか。
一つ目はチャート上の特徴を利用したものです。
サポート・レジスタンス、トレンド発生のブレークと押し・戻り、
もみ合い・・・特に目新しいものはありません。
これには「値動きの予測」が含まれます。
しかし、値動きの予測は決して簡単なものではありません。
重要なのは予測に応じた対応の部分です。
売買ルールや手法の選択によって行うその対応によって、
優位性を確率的な期待値に変えます。
二つ目はボラティリティです。
原資産にはないパラメータとしてのベガリスク。
インプライドボラティリティの高低は、利益の源泉とすることができます。
決算イベント前後や突発的なテールリスクで顕著に変化します。
また、ヒストリカルボラティリティとの兼ね合いを利用することもあります。
ベガリスクを利益にしようとするのは、
これは投資行為というよりも純粋なトレードでしょう。
三つ目は時間です。
オプションを売り、プレミアムを利益に変えるのはオプション特有です。
これはチャート形状を利用し、
裸売りをしたりクレジットスプレッドを組んだりすることもありますが、
現金確保プット売りで、個別株投資の副収入として行われる面もあります。
反対に、損失の源泉でもあります。
オプションの買いに寄ったポジションは、時間価値の減少に追われます。
四つ目は、ファンダメンタルが市場に織り込まれる過程です。
これは個別株投資とほぼ同じ利益の源泉ですが、
満期があるため、長くても2年程度でしょう。
このように利益の源泉(損失の原因でもある)を列挙したのは、
オプションのスプレッドや権利行使価格の多さに惑わされないためです。
もちろん、適切な権利行使価格・満期・ロングorショート/スプレッドの選択が、
利益を引き出すのには重要です。
ただ、その利益の源泉は先ほど列挙したようにそれほど多くありません。
先ほど言及したように、「予測」は非常に難しいことです。
もし簡単なら、多くの人がアイアンコンドルで稼いでいることでしょう。
そして、相場の天井・底や到達不可能な価格を予測し、
コール・プットの裸売りで稼いでいることでしょう。
しかし、私を含め、多くの大衆リテール投資家が値動きの「予測」にこだわります。
「予測」は非現実的な「期待」に変わります。
「期待」には、実際の値動きに対応するプランが欠けていることが少なくありません。
リスク管理も甘くなってしまいます。
優位性を欠いた上に、対応を間違え、利益ではなく損失を得ることになるのが、
大衆的な投資・トレード行為となります。
それを避けるためには、値動きや状況を「想定」することが必要となります。
オプションには、満期という時間の概念が存在します。
「この日時までにここまでの価格まで動く」ということを「想定」しなければ、
満期と権利行使価格を選択することはできません。
「想定」によって対応をきちんとできるかどうかが、
優位性のあるトレード行為を支えます。
まとめると…。
米国株オプションで優位性のある投資・トレード行為をするためには、
権利行使価格・スプレッド・満期に惑わされず、
利益の源泉がどこにあるのかをまず把握する必要があります。
値動きを「想定」することはポジション組成の必要条件です。
ですが、値動きを「予測」し「期待」をするのは、
大衆的な投資・トレード行為となり、相対的エッジを欠いた行為となります。
「対応」を具体的にしておくことは、優位性のある投資・トレード行為を支えます。
(対応を具体化すると、自分は実はノイズにやられやすいトレードをしている、
オプションにこだわらないほうがいいなど、検証で判明することがあります)
ひとまず、米国株オプションシリーズの記事はここまでとしたいと思います。
あまり切れ味のある内容は書くことはできませんでしたが、
あまり書籍には書かれてない部分を言語化できたのではないかと思っています。
この内容が少しでもお役に立てたなら幸いです。