投資・トレードアイデアが浮かび、実際に取引する前には、
アイデアの検討・ふるい落としを行います。
有力だと考えられるアイデアは、その後取引に移行しますし、
そうでない場合は「スルー」という形で、トレードを行わないことを決定します。
最近、そのふるい落としとして、
凡手を避ける
ということをキーワードにしています。
凡手(ぼんしゅ)とは、囲碁や将棋などのつまらない一手を意味します。
つまり、「凡手を避ける」ということは、
投資・トレードにおいて平凡な/余計な/行わない方がいいような取引を避ける
ということです。
そのブレークに賭けたくなるとします。
しかし、過去の成績から見れば、同じような状況での勝算が少ないとすれば、
それは凡手なのかもしれません。
猛烈に取引したくなるようなチャート形状であれば、
誰もがそう思う、大衆心理に従っているかもしれません。
そうなるとカモられ利用されるために取引することになり、
行わないほうがいい取引となります。
市場のセンチメントと中央銀行の方針に差がある場合、
イベントによってある種のサプライズが起きるような
値動きが期待されるとします。
その反対の逆行の値動きが起こりにくいと考えられるとき、
一定の損切りを設定したり、コストを払ったりすることで、
ポジションをとるアイデアが考えられます。
それはセンチメントの一歩先んじている可能性があり、
凡手を超えて、採用すべき取引アイデアとなります。
凡手を避けることは、実際には難しい面もあります。
バカになって買えば、バブルに乗っかれるということもありますし、
凡手だったと思って捨てた取引が、実は利益になる取引であれば、
すくなからず後悔もあるでしょう。
ただ、バブルなら何も考えず買うことと、
バブルに乗るということを分かったうえで買うアイデアを採用することは違います。
前者が凡手で後者が凡手ではないアイデアとなります。
スルーせずにいれば利益になる取引だったならば、理由を分析し、
今後同様の状況になったときに取引することが、
凡手ではないアイデアを持って取引することを意味します。
凡手ではないアイデアには以下の共通の特徴があります。
- 衝動的・随意反射的ではない
- 大衆心理(恐怖・強欲・FOMOなど)をメタ認知している
- コストを払ってポジションを取る感覚が存在する
- 今後のストーリーが存在し、それに応じてポジションの対応が取れる
- 逆行する場合について、十分検討がなされている
- 優位性が明確化されている
市場と向かい合えば、数多くの取引アイデアが浴びるように湧いてくる中で、
それに振り回されないことは非常に重要です。
私の場合、アイデアが湧くとすぐに試してみたくなる性分で、
それで損失が積み重なる失敗をしました。
アイデアのふるい落としは必須事項であり、
それは単純に「取引をスルーする」というような一言で済みがちですが、
投資・トレードスキルを進歩させることにおいて
とても重要な意味を含んでいると考えています。