資金管理は投資・トレードで破産をしないための必須技術です。
この記事では、投資・トレード両方の基本的な資金管理法を紹介した後に、
トレードと投資の中間である個別株CFD・信用取引の資金管理法を考えます。
投資の資金管理方法
資金管理は、投資よりもトレードの話題だと思われていますが、
破産回避という視点から考えると、投資も資金管理法が存在します。
魅力的ですがリスクの高い投資方法の一つは、1銘柄への集中投資です。
銘柄が注目を浴び、価格が上昇すれば一気に資金が2倍以上となりますが、
決算をミスしただけで、翌日資金の10%から20%を失うということもあります。
これはレバレッジをかけてなくても起こりうることです。
資金管理的には、破産になりうる取引と言えます。
集中投資が有効であるリスク管理面での理由は、
銘柄を選定している時点で、損失リスクを取り除いているためです。
それは上級者の行うファンダメンタル分析となります。
通常は数銘柄への分散投資を行います。
例えば、5銘柄に分散し、仮に1銘柄が10%の損失を出したとしても、
全資金は(1/5)*10=2%の損失で済みます。
逆に2倍になる銘柄(100%)を引き当てたとすると、
1/5*100=20%のリターンとなります。
デメリットとしては、
銘柄を分散すればするほど、そのパフォーマンスはインデックスに近づき、
それほどリターンが得られなくなります。
株価指数が暴落すれば、数%の損失では済みません。
ただし、優良な銘柄を投資対象とし、レバレッジをかけていなければ、
暴落後もきちんと値を戻すことが十分ありえるので、
破産からは程遠い投資を行うことができます。
パフォーマンスを高望みしないのであれば、
これが投資の王道的資金管理と言えるかもしれません。
トレードの資金管理方法
最も基本的なものは「全資金の0.5~5%を1トレードの最大損失」とするものです。
非常に明快であり、さらに複利も効くため、
基本的でありながらパワフルな資金管理方法となっています。
隠れた効能として、レバレッジに振り回されることが無くなります。
トレードで扱う売買代金に注目せず、
あくまで最大損失による破産確率を0に近づけることを指向しているためです。
落とし穴としては、FXなどで複数銘柄を同時にトレードした場合は、
銘柄間の相関から生じる追加のリスクに注意しなければなりません。
相関が強い銘柄を扱うと、
逆行した場合、複数銘柄でそれが同時に起き、
ロットの大きさによっては破産の可能性が発生します。
個別株CFD・信用取引の資金管理法
基本的には短期取引となるため、破産を避けることが第一基準です。
ただ、「個別株特有のやりにくさ」が存在します。
それは、
- 逆指値でポジションを閉じられるとは限らない
ギャップアップ・ギャップダウン・ストップ高・ストップ安により
予期しない損失が発生する - 複数銘柄を同時に取引すると、
ポートフォリオ全体にレバレッジがかかった状態で、
株価指数への連動リスクにさらされる - テクニカル分析的にきつめの逆指値は損切りになりがち
そのため幅広く損切り幅をとるが、それはリスクを取るということなので、
ロットを落とす必要があるが、パフォーマンスは低くなってしまうので
欲深になり、リスクを取りがち
これらのやりにくさに対処することが資金管理法となります。
個別株CFD・信用取引の特性上、破産リスクは注意しなければすぐ発生します。
レバレッジがかかっているため、破産確率を0にするのであれば、
投資ではなかくトレードの資金管理方法に近づけるのが肝要です。
つまり「1銘柄あたりの最大損失を全資金の〇%にする」という
取引を行うということです。
ギャップアップ・ギャップダウン・ストップ高・ストップ安は
十分ありうることからも、想定した最大損失を超える可能性があります。
したがって、計算してはじき出したロットより小さい株数を取引するか、
十分に下調べして自信がある銘柄の取引をしていることを確認し、
破産確率の小さく存在する状態ながらもリスクをとって取引することを
自覚して取引するか選択することになります。
株価指数との連動は避けられません。
これは、トレードの資金管理でも落とし穴として紹介しました。
各トレードの相関が大きく、
全体として破産確率の発生するトレードを行ったのと同じ状態になります。
簡易的なリスク管理としては、
各銘柄のβを調べ、売買代金がどれほどであるか把握しておくと言うことです。
仮に指数が2~3%落ちた時にあたふたしてしまうようなポジションは
リスクの取りすぎと言えるのではないでしょうか。
それほどのレバレッジはスイングではなく、
むしろスキャルピングやデイトレなどの即対処可能ケースでのみ扱うことが
できるものなのかもしれません。
ただ市況がよく、そこでフルレバをし、大きく利益を伸ばすことを私は否定しません。
しかし、資金管理を考えると、
どうしても破産リスクを取らなければできないことだと思います。
フルレバに関しては、最大損失分を無くなってもよい余剰資金で行うというのは
一案ではあるとは思います。
(予期せぬ追証があるので、きっかり余剰資金で行えるとは限らない)
私も、市況が許せば、余剰資金を使い、
通常の1トレードより大きな最大損失を許した状態で
コールオプションなどを買うつもりでいます。
結論的には、どの程度のパフォーマンスを個別株CFD・信用取引に望むか
ということになると思います。
レバレッジをかけて、資金の倍々を狙うと、破産リスクがすぐに発生します。
特に個別株の場合夢はありますが、絶望の方が多いのではないでしょうか。
資金管理を行い、常に破産リスクに気を付けていた方が、
市場に長く参加できますので、
大きく資産を伸ばす機会に何度も巡り合うことができるのではないでしょうか。
資金を育てるための「時間」を十分に取るというのは、
破産しないための、資金管理上隠れた必須要素でもあります。